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才門俊文

 母と二人で出かけたのはどれぐらいぶりだろう・・・。
父が亡くなってから一周忌が過ぎたある秋の日、二人でお茶会に出かけました。
 長い間父の看病で心身ともに疲れていた体を少しでも癒すことが出来ればと思い、気候も良いので思い切って誘ってみましたが、案の定、最初は「忙しいんだろう。無理しなくてもいいよ。」と、私のことを気遣ってばかり。その言葉を聞いて「母は幼い時に母親を亡くしてから周りに気遣ってばかりで、嫁いできてからも父に気遣い、子供にも気遣ってきた毎日なのではないか・・・。」と考えてると、ふと中学生の頃のことを思い出して、あのころは母と二人で買い物に出かけるのが無性に嫌で、折角二人で出かけているにもかかわらず、「あーこんな所友達に見られたら明日学校で何て言われるだろう。」と考えて母に対してなんと愛想が無かったことか。写真はお茶会も終わった帰り、ふと母とのツーショットが欲しいなと思いたち、通りがかりの人に頼んで撮ってもらいました。
 来月、母を誘って私の家族と姉家族と一緒に誕生日会をする予定です。そこでみんな一緒の写真もいいけれど、このいい顔をしている母とのツーショットが私にとっての大切な写真となりました。