京都洛中ロータリークラブ会長
坂部 一夫
テーマ 「生きる」
~今 私たちにできる事~
まず初めに、京都洛中ロータリークラブの創設から現在までに至る 45 年の旅路を振り返りたいと思います。今から 45 年前、桐田良人先生をはじめとするチャーターメンバー43 名の方々が当クラブを設立されました。彼らの献身と努力によって築かれた基盤の上に当クラブは成長し続けてきました。彼らのビジョンは、地域社会への奉仕を通じて世界に貢献する事でした。今日、私たちは彼らの意志を引き継ぎ、その精神を継承しています。特に桐田先生のリーダーシップと情熱は、当クラブがこれまで直面した数多くの挑戦を乗り越える助けとなりました。彼のような先駆者のおかげで当クラブは、国際ロータリー第 2650 地区の中でもガバナーを 2 人を輩出した、存在感のあるクラブへと成長してきました。
創立45周年という特別な年に、京都洛中ロータリークラブの会長を池田前会長よりバトンタッチいたしました。本当に名誉なことと受け止めています。さらに私の父が当クラブの第3代会長を務めていたことを考え合わせると、当クラブは史上初めて親子二代にわたる会長を出すこととなりました。この事実は私にとっても大変な誇りであり、意義深い事だと受け止めています。今後も私たちはチャーターメンバーが築いた基盤を大切にし、地域社会への奉仕を通じて、より大きな影響を発揮できるよう努めたいと思います。当クラブの皆様の支えと協力に心から感謝申し上げます。京都洛中ロータリークラブが、私たちの努力によって、さらに輝かしいものとなるよう共に頑張りましょう。
さて 2024-25 年度 京都洛中ロータリークラブ会長テーマを
「生きる」
に設定いたしました。サブテーマを
~今 私たちにできる事~
と掲げています。
このテーマは、国際ロータリーが重視する活動領域の『疾病との闘い』、『水と衛生』、
『母子の健康』とも深く連携しています。これら活動領域は、健康な社会を構築させるための基石となるものであり「生きる」というテーマを通じて、これらの問題に対する新たな視点と何らかの解決策の糸口を京都洛中ロータリークラブとして提案していくことが出来ると考えます。
『疾病との闘い』では国際ロータリーはポリオの撲滅に長年取り組んできましたが、
それに留まらず、様々な地域で発生している健康問題に対処しています。京都洛中ロータリークラブはこれらの活動に対して、微力ながらより多くの人々が疾病の脅威から解放されるようなお手伝いをしたいと考えます。
国内に目を向けると、本年の元日に発生した能登半島大地震の被災地に於いては、インフルエンザ、コロナをはじめとする急性呼吸器感染症や感染性胃腸炎などに加え、野外での救援活動等による外科的疾患も増加しています。
感染症の基本は手洗い等ですが、多くの避難所ではトイレをはじめとする衛生不備が問題となっています。
『水と衛生』に関しては諸外国、特に発展途上国と比べると、わが国では平常時は問題視されない課題ですが、いったん災害が起こった被災地では『水と衛生』は重要な問題となります。清潔な水へのアクセスは健康な生活を送る上で、欠かせない要素です。水不足や不衛生な水は、疾病の拡散に直結します。
~今私たちにできる事~は被災地に対して何らかの援助活動が出来ないかという事です。創立45周年記念事業として被災地への援助活動が出来れば意義がある事と考えます。
『水と衛生』といえば、野崎会長年度のバリプロジェクトは記憶に新しいところであり、この事業は、設備のメンテナンス等の持続可能なプロジェクトになったと思います。
『母子の健康』は、健康な社会を実現するためのもう一つの重要な柱です。ロータリーは、出産時のリスク低減、栄養不足の解消、予防接種の普及といったプロジェクトを支援しています。我らのクラブもこれらプロジェクトに対して、何らかの形で寄与できれば幸いです。
今年度の会長テーマ「生きる」は健康がすべての人々にとって最も基本的な権利であり、それを守り、促進することがロータリーの使命であることを再認識しています。
現在、日本の平均寿命は男性81.41歳、女性87.45歳です。一方、健康上の問題で日常生活が制限されることなく、生活できる期間である健康寿命は、男性72.68歳、女性75.38歳です。男性では約9年、女性では約12年、健康寿命と平均寿命に差があります。
人生100年も夢ではない現在、いつまでも元気に過ごすには、この健康寿命を延ばす事が必要であり、そうすることによって、ロータリーライフを長く続けることになり、社会貢献に寄与できるのです。創立45周年記念事業では「Long life」を考える何らかの機会を作っていただきたいと思います。
会長テーマ「生きる」を多方面から考えて、~今 私たちにできる事~を見つけていただければ幸いです。